はじめに
本紹介ブロガーのラモスです!
今日紹介する本はハンス・ロスリングさんの『ファクトフルネス』になりやーす。
大学の授業でこの本をお勧めされたことをきっかけに、僕はこの本を読み始めました。
この本は、医師でありグローバルヘルスの教授、そして教育者としても著名であるハンスさんとその息子と息子の妻の3人によって書かれた本です。
ハンスさんは、世界保健機構やユニセフのアドバイザーを務め、スウェーデンで国境なき医師団やギャップマインダー財団を立ち上げました。
また、TEDトークも有名です。
さて、皆さんはどれほど世界について知っているでしょうか。
本書から一つだけクイズを紹介します。
質問:世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう?
A 約2倍になった
B あまり変わっていない
C 半分になった
このクイズの正解率は平均で7%ほどだったそうです。
チンパンジーが適当に選んでも正解率は33%になるはずです。
しかし、学者などの頭の良い人や政治家の人たちも間違えました。
もちろん、僕も間違えました(笑)。
ちなみに、答えはCです。
では、なぜ間違えてしまうのでしょうか。
なぜ、人々は世界を正しく理解することができないのでしょうか。
それは、ドラマチックな本能のせいだそうです。
人間には色々な本能があります。
この本では10個のドラマチックな本能とそれを克服する方法が書かれています。
ここでは以下の3つだけ取り上げたいと思います。
- 分断本能
- 犯人探し本能
- 焦り本能
分断本能
この本能のせいで人々は物事を2 つに分けたがってしまいます。
たとえば、「先進国」と「途上国」、「お金持ち」と「貧乏人」、「陰キャ」と「陽キャ」などです。
しかし、世の中は2つに分けられるほど単純ではありません。
お金持ちではないけれど、貧乏人でもない人は日本にたくさんいます。
陽キャと話すけれど、陰キャとも話す人がいます。
『新型コロナとワクチン』という本にも、はっきりと白と黒に分けられることはないと書いてありました。

対策としては、グラデーションを知るというのがあります。
極端な2つの数字には目を引かれてしまいますが、大半の人は当てはまらないのだと意識しましょう。
平均の比較も注意が必要です。
平均は一人一人のデータのばらつきを表しません。
分布にしてみると、意外にも重なっている部分が多いことがわかります。
ちなみに、政治の思想に関しては茂木誠さんの『政治思想マトリックス』がおすすめです。
今後紹介します。
犯人探し本能
この本能について意識することは感染症が流行している現在にとって、とても大切だなと思いました。
なぜなら、犯人を探すことは問題を解決することにつながらないからです。
菅総理大臣や西村新型コロナウイルス感染症対策担当大臣を責めてもこのウイルスが収束するわけではないのです。
犯人を探すのではなて、問題のあるシステムを見直すことが大切です。
誰かが悪いと責めることで、複雑な真実から目を逸らすことができるので安心します。
しかし、そうすることで正しいことに力を注げなくなってしまいます。
人ではなく、問題のことをみるということに関しては岩田健太郎さんの『新型コロナウイルスの真実』という本にもありました。

この本能を抑えるためには、社会を機能させている仕組みに目を向け、犯人ではなく原因を探す必要があます。
焦り本能
いつやるか?今でしょ!
これが焦り本能です。
確かに、すぐに行動に移すことは大切です。
堀江さんの著書『将来の夢なんか、いま叶えろ。』にも書いてありました。
しかし、焦ってしまい、考えるのをやめてしまってはいけません。
大抵の場合は、チャンスが一度しかないということはありません。
世の中の問題の答えは二者択一でもありません。
危機的な状況に陥ると、この本能を使って危機感を煽ってくる人などがいます。
地球温暖化などがそうでしょう。
善意から、この本能を利用して危機感を煽っている人もいるでしょう。
大学の先生がある名言を言っていました。
「地獄への道は善意から」だそうです。
この本能の対策はデータを見ることです。
感染症が流行している現在、メディアによって恐怖感を植え付けられている人もいるかもしれません。
しかし、メディアが悪いわけでもありません。
一人一人がデータを見て、問題を解決していかなければいけないのです。
焦り本能を克服するためには、データを見て、未来について2つのシナリオを考えることが重要です。
最高のシナリオと最悪のシナリオを準備するのです。
また、地道な一歩を大切にしましょう。
さいごに
ここまで読んでくださりありがとうございました。
この本に載っているドラマチックな本能を全て紹介したいぐらい良い本でした。
まさに、この時代に必要な一冊と言えるでしょう。
陰謀論を信じ込んでしまう人、ネガティブに物事を考えてしまう人、根拠のない恐怖に怯えてしまう人におすすめです。
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